第38代理事長 榎田 哲也

人類は多くの困難に直面し、その度に壁を乗り越えてきた。いつの時代になっても人類は発展のために歩みを止めることは無い。それは、今より豊かに、楽しく、幸せ に生きたいという希望があるからだろう。私たち榛南青年会議所には、人間の真の幸福と社会の発展をめざすという諸先輩方から受け継いだ創始の志がある。この志は、地域を今より豊かに、楽しく、幸せに暮らせる社会にしたいという想いが込められている。この想いは、人類の不変的な願いに通じるものがあると思う。だからこそ、榛南青年会議所は地域の明るい未来のために歩み続ける。私たちの行動が、人々の幸せにつながるのだから。


はじめに

 2020年、新型コロナウィルス感染が全世界で猛威を振るい私たちの日常生活は一変しました。日本においても、初めての緊急事態宣言が政府より発令され、県をまたぐ移動の自粛、全国各地で催事の中止、学校の休校、リモートワークなど様々な方法で感染防止対策が人々の安全を守るために実施されました。会いたくても会えない。行きたくても行けない。今まで、当たり前に行っていたことが規制され、人と人との物理的な距離が生じ、改めて、人と人とのつながりの大切さに気付かされた気がします。距離と心のつながりは密接で、より人と人とを近く感じられるために、手紙、メール、電話、SNS、オンラインミーティングツールなど時代に合わせて様々な方法が確立されてきました。遠くにいるのに顔を見て話が出来る。指先一つで一瞬にして文章を送ることが出来る。便利な方法で人との心の距離を縮められる今だからこそ、私たちの想いをその時、その場で最善な方法で伝えていくことで、人と人とはより深くつながっていけると考えます。

榛南青年会議所においても、昨年度はコロナウィルス感染の危機を通じて様々な変革が行われました。特に、諸会議や事業などのオンラインでの実施は、私が青年会議所に入会した2010年からでも初めての試みだったと思います。人と人とのつながりを大切にする青年会議所運動だからこそ、オンラインでの運動の実施は非常に難しい決断であったとともに、新しい運動の方法を位置づける転換点であったと考えます。本年度もこの経験を活かし、この状況がたとえ続いたとしても臨機応変に対応し、その時出来る最善の方法で運動を行う必要があると考えます。

また、2019年4月より順次施行となった働き方改革も、私たちの生活を変えるもう1つの要因です。中小企業での施行も2020年4月より開始され、時間外労働の上限が規制されることになりました。日本政府が掲げる一億総活躍社会を実現するため、日本が現在直面している生産年齢人口が総人口を上回るペースで減少している問題を解決する改革です。榛南青年会議所に所属する会員の多くが中小企業を支えるリーダーであり、これから先、時間の管理に伴う生産性向上は大きな課題になってくると思います。私自身は、ものづくりに携わる仕事をしており、いままでにない新しい物を開発すること、お客様に満足していただく製品を製造していくという目的を達成するためには、納得いくまで時間を惜しまず行動するという考えを持っているので、この施策に対して直ぐに受け入れることは出来ませんでした。しかし、皆が持っている時間を有効に使い、より良いものを提供していくことがこれからの社会、地域に必要になってくるのだと実感しています。

1日24時間という時間軸の概念は共に平等で、その時間をどう使うかで私たちの人生は変化します。今、与えられた場所、与えられた機会に感謝し、精一杯活動していくことが、自分のため、家族のため、仲間のため、支えてくれる周りの人の幸せにつながるのではないでしょうか。榛南青年会議所で活動するということ、「奉仕」、「修練」、「友情」の三信条の基、このかけがえのない時間を私たちの成長の基盤とし、共に地域のために活動していきましょう。

私たち榛南青年会議所が地域を明るく豊かな社会に導くために、楽しく活動したい。楽しく活動するということは、楽をするということではない。目的を達成するために、私たち一人ひとりが協力し課題や困難を乗り越えていく過程を共にし、努力した後の満足感や達成感が、楽しい活動につながると考えます。最高な仲間と共に、最高な時間を過ごしていきましょう。

当事者意識と組織運営

 目まぐるしく変わる世界情勢の中、新たな価値観や文化が生まれ、その時に合わせ私たち榛南青年会議所の組織運営の在り方も変化していく必要があります。しかしながら、その変化は私たちが、「明るい豊かな社会の実現」という志のもと、地域を私たちの力で変革していくという当事者意識が本質にあることが前提にある必要があります。この意識は、私たちが共に運動する中で育まれていくものだと思います。青年会議所運動を推進していく過程で多くの困難や壁が立ちはだかることもあります。そんな時も、支え合って共に進む仲間がいるからこそ「誰かのために私がやらなければ!」という意識が強くなり、志のために邁進できるのではないでしょうか。メンバーが共に運動する中で、友情を育み、より深くつながっていくことで、個々の運動に対する当事者意識は強くなり、諸先輩方から受け継いだ志を継承しつつ、時代に即した運動ができる組織運営につながっていくと考えます。

また、規則や環境を整備し、活動しやすい仕組みを構築していくことも必要不可欠です。在籍年数が短いメンバーが増えており、今まで行ってきた経験則での運営や、人伝えの知識の共有にも限界が来ています。知識や情報を共有しなければ、メンバーの運動への理解は得られず、組織運営は困難になってしまいます。参加促進や当事者意識の向上のために、今まで以上に、メンバー間の情報共有を適切に行い、より解りやすく運動に対する理解が深まる方法を探求して行く必要があると考えます。また、榛南青年会議所の運動を地域の皆様、OBの皆様へ、様々な手法を用いて情報を提供する広報活動も私たちの運動をより効果的に地域に伝播していくために必要です。

個人の成長を基盤とし組織を強固に

 私たちは創始からの志を引継ぎ、榛南の明るい未来を創造していくために、常に組織として成長していく必要があります。そのためにも、一人ひとりが今に満足することなく高い志を持ち、学びを深めていくことが重要です。青年会議所は多種多様な業種の青年経済人が集う団体であり、多くの出会いと、学びが溢れています。時間を共にし、熱く議論を交わし、会社のこと、将来のことを語り合い、互いに高め合える関係を築ける組織だからこそ、青年会議所運動で得た学びはより深く、私たちを成長させてくれると信じています。だからこそ、私たちは青年会議所運動を通じて得られる出会いの機会を大切にし、積極的に運動に参加していきましょう。

青年会議所には私たちが所属するLOMとは別に、静岡ブロック協議会、東海地区、日本青年会議所と日本全国のメンバーと出向という形でつながれる仕組みがあります。ここでの、組織運営の方法や開催される事業の規模はLOMとは違い、新たな気づきや価値観を得る絶好の場であります。だからこそ、出向という機会を利用し地域外の多くのメンバーと出会うきっかけを学びの場として捉え、積極的に参加して欲しいと考えます。そして、出向していないメンバーは、LOMから出向しているメンバーに積極的に関り、サポートすることで学びを得て欲しいと思います。

また、榛南青年会議所のメンバーは、私たちを成長させてくれる一番特別な存在であります。同じ志を持ち、運動をして行く仲間であり、時には自分を戒めてくれる師の様な存在であり、負けたくないと思うライバルであったりもする。共に活動する榛南地域の同志がもっと増えれば、私たちは今よりさらに成長していけると考えます。そして、私たち個人の成長が基盤となり、榛南青年会議所の組織の成長につながると私は信じています。

だからこそ、私たちは地域にいるまだ見ぬ新しい仲間を探し全員で拡大を推進していく必要があります。全員拡大を本年度の最重要課題とし、1人でも多くの互いに高め合える同志を迎え入れるために、一致団結し、全力で頑張りましょう!

 地域の未来のために

私たちが地域の青少年のためにできることはなんだろうか。情報化が進む昨今、青少年の知識は格段に向上し、考え方や価値観も時代と共に変化しています。また、グローバル化も格段に進み、諸外国の考え方や文化などにも触れる機会も多くなってきました。だからこそ、青少年達にはこの地域のことをもっと知ってもらい、好きになってもらいたい。地域を知ることは青少年の成長につながり、未来の地域を担う力になると考えます。また、郷土を離れ、将来別の土地で暮らすことになったとしても、地域の支援者となってもらえると信じています。榛南の地に住み暮らし、様々な経験をした私たちだからこそ、多様性に富んだこの社会を生きる青少年達に成長するきっかけを提供することが出来ると考えます。

地域の価値の創造のために

首都圏に労働人口が集中し、地方の人口が減少している現在でも、日本全国の労働人口の大多数は地方にあります。日本各地で様々な方法で地方創生の動きが活発にされているのも、この現状があるからではないでしょうか。私たちのまちを変えて行けるのは、この地域に住む人々であると考えます。だからこそ、私たちは、地域の人々と関わり合いながら運動を展開していく必要があります。運動を展開していく上で、榛南青年会議所が37年間の歴史で培った運動や、同じ諸問題を抱える各地青年会議所の運動を知ることは重要です。学びは私たちの運動の基盤となると考えます。その知識を基に、地域の未来のために、新しい価値を創造していくことが私たちには求められています。そのために、私たちは議論を交わし、今まで行ってきた方法にとらわれず、私たちの考えを発信し、運動を展開していく必要があります。地域に根差した運動を展開していくためにも、私たち一人ひとりがまちづくりに対しての意識を深め、新たな地域の価値を創造していくという自覚を持つことが、明るい豊かな社会の実現につながると確信しています。

結びに

 同じ志を持つ仲間と共に運動することは本当に楽しいことだと思います。大変な時もあるけれど、それを乗り越えることでの達成感は格別な物です。青年会議所に入会して沢山のことを学びました。そして、ここで出会った多くの人達とのつながりと、共に過ごした時間から得た経験は、私にとって特別な物です。ここで出会った全ての人と、支えてくれる皆様に感謝し、メンバー全員で共に磨き合い一丸となって活動していきます。榛南青年会議所で共にメンバーと過ごす時間を大切にしよう。私たちが協力して運動することが、地域、家族、仲間の幸せにつながるのだから。運動を楽しもう。私たちが笑顔で一丸となって運動することが地域の変革につながるのだから。

楽しくやっていこう!~Smile for the future~