第39代理事長 赤堀 久人

 常に成長することを目指し、前を向き目標を持って行動している人はとても輝かしく見えます。どのような時でもめげない精神を持ち、全力を尽くし、目標のために邁進すること、榛南青年会議所の諸先輩方から教えていただいたことは計り知れません。青年会議所運動には、私たちが自己の成長を遂げ、生涯の友情を育み、住み暮らすまちをより良くしていく機会があります。これからも明るい豊かな社会を築くために、仲間とともに、笑顔と楽しむことを忘れず活動を続けていきましょう。


はじめに

 人類は、誕生してから長い年月の中で進化をし続け、私たちの社会は豊かなものになり、なに不自由なく生活できるようになりました。これは、私たちが望み、工夫をし、努力し続けた成果だと思います。榛南青年会議所においても、私たちが望む明るい豊かな社会の実現のために、時代に合わせた進化をし続ける団体を目指し、努力して行きましょう。

 近年、新型コロナウイルス感染症の早急な収束を目指し、世界中で感染防止対策が進められています。日本においては、緊急事態宣言や蔓延防止措置などの様々な対策が講じられたことで、人と人とが直接会う時間は減りましたが、オンラインツールの発達により、直接触れ合うことを補う新たな形のコミュニケーション方法が確立され、人々の笑顔や笑い声が戻りつつあります。新型コロナウイルスの問題が無ければ、ここまで急速にオンラインでのコミュニケーションツールは普及しなかったことでしょう。大きな問題に直面したからこそ、その解決の糸口を探す努力がされたのだと思います。私たちの住み暮らす地方都市は全国的に人口減少、高齢化、観光客の減少等の問題が山積しています。このような問題が山積する中だからこそ、まちに対しアクションを起こし、地域の課題を解決するきっかけを作ることができるのが、私たち榛南青年会議所ではないでしょうか。私たちには、縦にも横にも広がるつながりがあります。そして、若さが生み出す活力があります。この強みを十分に生かし、運動を展開することが私たちの担いだと考えます。これからも、地域の課題に全力で向き合い、一つ一つの活動に全力を注ぎ、メンバー一丸となり力強い運動を展開していきましょう。


運動の基盤となる組織運営

 榛南青年会議所には、定款や規則をはじめとする様々なルールがあります。私は、これらのルールを遵守しつつ、一つ一つの物事に全力で取り組むことに、青年会議所で活動する醍醐味があると考えています。これらを遵守した組織運営が行われることで、仕事やプライベートとは違った緊張感や責任感が生まれ、メンバーが成長するための糧になります。人が成長するためには、厳しく感じる時間も必要です。青年会議所においては、規則や定款、委員会や例会、各種会議の厳格な設えがこれにあたります。この時間がなければ、自由気ままに行動する意識を生み出し、厳しさを感じなければ、緊張感も生まれず、責任感をもって活動することもできません。私たちは、今まで在籍年数の長い先輩方と共に活動することで、これらを感じられる場に身を投じてきました。しかし、近年、メンバーの減少や、活動が制限されることで、このような機会が減ってきています。今一度、メンバー個人の成長につなげるため、緊張感や責任感を大切にした組織運営を心がけ、運動を展開していきましょう。

 昨今、SNSが発達し、人々は多種多様な情報をいち早く得られるようになりました。これは、まちに埋もれた魅力や、新たな情報をたくさんの人に即座に伝えられるチャンスではないでしょうか。様々な方面にネットワークを持つ私たちが、SNSを駆使して広報を行うことは、地域を想い率先して運動を展開する私たちだからこそ行える活動の一つです。私たちだからこそできる広報を行い、様々な情報が今よりも広く拡散されることで、人々のまちに対する関心が増え、人々が地域の様々な場所に足を運ぶ機会になり、まちが活気づいていくことでしょう。さらにこの広報は、榛南青年会議所の知名度の向上につながり、私たちの運動に対する関心を今よりも高める効果が期待されます。メンバー全員で、地域の魅力や情報を発信し、榛南青年会議所のブランディング向上につながる広報活動を行っていきましょう。


輝く人財の育成

 夢を持ち何事にも熱心に取り組む姿勢を持つ人は、とても輝かしくかっこいいと思います。夢を持つことは、何かを成し遂げるために必要な原動力となり、これを基に行動する人は、活力に溢れ、仕事やプライベートで良い結果を生み出します。さらに、何事にも熱心に取り組む姿勢を持つ人は、周囲にも影響を及ぼし、刺激することで活力を分け与え、新たな人財が育まれると思います。

 青年会議所メンバーは、このまちをより豊かなものにするためにも、影響力のある人財になるべきだと考えます。私たちが率先して運動を展開するからこそ、人々に接する機会が生まれ、まちを変えていくことができます。私は、本当にまちを変えることのできる人とは、青年会議所活動はもちろんのこと、仕事やプライベートといった活動外でも周囲の人に良い影響を及ぼすことのできる人だと思います。常にまちのことを想い、運動を展開しているからこそ、何気ないこともまちが抱える課題として取り上げることができ、課題解決のために取り組む姿勢を持つことができます。何気なく日々を過ごしている中ではこのような姿勢を持つことは、なかなか困難です。青年会議所は、目標を達成するために全力で取り組み、一つ一つの物事に本気で取り組める姿勢を学ぶ機会を私たちに与えてくれます。さらに、私たちがこのような影響力のある人財となり、運動を展開していけば、夢を持つことの大切さが幅広く伝播され、人の心を動かすきっかけとなり、まちの未来を担う人財が育まれていくに違いありません。周囲に良い影響を及ぼすことのできる輝かしい人財となりましょう。


魅力あるまち

 私たちはどのようなまちに住みたいのでしょうか。私は「ここに住み暮らす人が、自慢できるまち」に住みたいです。私たちの住むまちには、温暖な気候によって育まれた豊かな自然環境があり、またこの環境から生まれたものすべてが魅力となりえる可能性を秘めています。これを他の地域では味わえない、榛南独自のものとして人々に伝えることができれば、住み暮らす人が自慢できるまちになるのではないでしょうか。

 私たちが住む榛南地域は日本で最も深いとされる駿河湾に面しており、「世界で最も美しい湾クラブ」に認定されるほど価値のある場所となっています。さらに、東西に長く広がる美しいビーチがあり、少し歩けば日本特有のシラス台地を含む、緑溢れる自然環境があります。そして、この環境が生み出す数多くの食材や風景、これらすべては素晴らしいものであり、他の地域では味わえない、魅力として語れる素材であると思います。近年、ITや映像技術の革新により、体感せずとも様々な方法を用いることで、以前よりも伝わりやすく、楽しめる機会が多くなったことも確かです。しかし、水温は数字を見ても伝わりにくく、触れることでその温度がわかり、また、食材はSNSを見ても味はわからず、実際に食べることでその美味しさを実感できるように、自然がもつ魅力とは、本来言葉や写真だけでは伝えることが難しいものです。実際に触れたり体感することが、地域の本当の魅力を知るためには最良の方法だと考えます。 日本各地には、このまちと似たような環境を有する場所もあります。しかし、私たち榛南青年会議所だからこそ、このまちにある素材を掘り下げて考えることができ、ここだからこそ味わえる魅力として打ち出すことができるのではないでしょうか。このまちが持つ魅力を多く引き出し、多くの事業が開催されることになれば、人口減少に歯止めがかかり、このまちに訪れる人も増え、活気と賑わいに溢れたまちになると確信します。そして、これこそが人々が自慢できるまちを築くためのきっかけになると思います。


40周年事業に向けて

 翌年には、私たち榛南青年会議所は創立40周年という大きな節目を迎えます。この周年事業は、青年会議所活動の中でも大きな事業の一つです。諸先輩方から引き継ぎ40年目という時を迎えるにあたり、今日まで榛南青年会議所を存続させてくださったことに感謝の念を持ち、この事業に取り組むことが必要だと考えます。

 近年、メンバーの若返りが進んでいることで、周年事業を経験しているメンバーが少なくなり、どのような目的で、どのような事業を開催するのかを知らない人も多いはずです。このため、事前に時間を設け、同じ想いを持ち、この事業に取り組む体制を築くことが必要です。今まで榛南青年会議所に携わってきた数多くの関係者の方々に、感謝の念を抱けるような場とすることで、青年会議所運動への理解が深まり、参加する意義がより明確になり、これからも継続して活発な運動を展開していくことができると考えます。当年を迎える前から、メンバーが周年事業に向けて意識を高められる機会を設けていきましょう。


会員拡大

 現在、年を追うごとにメンバーが減少する傾向にあります。さらに、コロナ禍により、思うような活動を行えず、会員拡大が難しい状況が続いています。このような問題がある中でも、このまちを明るい豊かなものにするという想いを持つ私たちにとって、一人でも多くの仲間を増やし、活発な運動を展開できる環境を整えることが急務です。

 私は、人は一人ではその力を存分に発揮できず大きな成功は見込めない、人と助け合い、活動することが如何なる時でも必要だと考えています。メンバーとともに活動する時間が私たちにとってかけがえのないものであるということを、私は経験してきました。そして、仲間とともに作り上げた事業が終わった時の達成感は言葉では表せないほどです。私は、この達成感こそ、榛南青年会議所の醍醐味の一つであり、この達成感は多くのメンバーと活動を共にするほど、より強く感じることができると思います。メンバー一丸となり、会員拡大に全力で取り組み、たくさんの同志を迎えより活発な運動を展開できる青年会議所を目指していきましょう。


結びに

 榛南青年会議所は人と人とのつながりを作れる場所だと感じています。私は理事長という任を受けることにより、一層肌で深く感じるようになりました。この青年会議所には、いつ会っても分け隔てなく接してくれる先輩、仲間のことを考え助けてくれ、時には年齢という壁を乗り越えて楽しい時間を共有できる仲間がいます。そして、濃密な時間を共に過ごすことで生まれるつながりがそこにはあります。迎える2022年には、青年会議所に参加することによって生まれる楽しみを今一度感じてもらい、参加する意欲を高め、今後の活動に邁進していける環境を積極的に作っていきたいと思います。メンバー一丸となり、このまちを明るい豊かなものにするため、ともに同じ時間を歩んでいきましょう。

 一人はみんなのために、みんなは一つのために。

~One for all All for one~

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